配車担当のたろーです!
みなさんは物流で配送に使用する車両についてどのようなイメージを持っていますか?
物流業に携わっていない人が、一般的にイメージする運送用の車両って、おそらくヤマトとか、佐川とかが使用しているバンタイプのトラックだと思います。
こんな形のトラックです。
この形状のトラックは、後ろが観音開きになっており、大体は後ろに積んだ荷物から順々に降ろして行くことになります。最終的に、前に積んである荷物を全て降ろし終えたら配送終了ということですね。
宅配便やルートが決まっている配送に向いており、特殊な装備がない分最大積載量を増やしやすい特性があります。
一方で、イレギュラーに弱く、荷下ろしが出来なかった場合、荷物が残ってしまうため前に積んである荷物を取るのに非常に手間がかかったりします。宅配なんかは不在が多かったりするので、最近はこの形状よりは前にも後ろにもドアをつけて荷下ろしが出来るようにしてたりしますよね。
さて、こんな形状のトラックが一般的である一方、配送で使う車両は本当に多種多様、特殊な業界でしか使わないものだったりも存在します。わたしは主に食品系の荷物を扱うことが多いのですが、やはりその業界にはその業界に適した車輌が必要なのですね。
2次配送は4t車が中心
専門的な言葉を多少使うと、2次配送というものに使う車輌は4t車がメインとなっています(都内なんかは2t車がメインですが)。1次配送とか、2次配送の言葉はまた別の機会で解説させていただきますが、2次配送とは簡単に言うとメーカーなどの倉庫から、問屋やセンターなどに荷物を届けることです。
倉庫から問屋への配送は、ある程度まとまった荷量であることが多いため、荷物をある程度積めて、なおかつ車輌制限に引っかかりづらい4t車がメインとなることが多いのですね。なにしろ荷台が広いのでかなりたくさん荷物を積むことができます。
もちろん10t車と呼ばれるさらに大きい車輌も使いますが、最近の問屋のオーダーが小ロット多品種化しているため、10t車を埋めるほど荷物が出にくくなっています。そんな背景もあり、4t車の需要が高まっているのです。
実際、取り扱いの仕事(これもまた別の機会に解説します)をしていると、10tよりも4t車の方が捕まえるのが難しくなっています。わたしは首都圏を中心に仕事をしていますが、おそらく東名阪主要都市は同じような状況ではないでしょうか?
最大積載量は少ない4t車
そんな4t車ですが、実は4t分の荷物を積むことができません(笑)
少なくとも、食品業界で頻繁に使用されている4tウイングと呼ばれる車輌は、装備によっては2tくらいしか積めないものもあります。これは、ある意味運送を効率よく進めようとした結果であり、詐欺的なものではないことを明言しておきます。
4t車で4tを積める車輌はいわゆる平ボディーと呼ばれるトラックです。それに屋根をつけたものが、4tのバン車で箱型のトラックですね。そして、そのバン車の左右をパカっと上に開くようにしたのがウイング車と呼ばれるトラックです。他にも、荷台の後ろに昇降機をつけたトラックでゲート車なんてものもあったりします。
全日本トラック協会のサイトに形状の違いが載っていました。
ようするに、平ボディーに装備を追加すればするほど、車輌重量がどんどん重くなるということなんですね。
雨風関係ない部材を運ぶ平ボディならば、4t車で積載4t分積めるので効率がいいのですが、例えば食品なんかは雨濡れなどで汚損してしまった場合納品ができなくなってしまいます。そういったリスクを避けるため、屋根のある箱型を使っているわけですね。そして、その分最大積載量を犠牲にしているのです。
このウイング型のトラックは、パレットと呼ばれる荷物を積んでおく板状の台を、フォークリフトで荷積み荷降ろしをするのに非常に適しています。横が開閉しないバン車の場合、後ろからパレットを引っ張り出さねばならず、納品先によっては嫌われてしまうこともあるんですね。バン車の方が仮装が少ない分、積載は取れていてたくさん荷物は積めるのですが。
実は使い勝手が悪い時もある4t車
過積載にうるさくなってきた今日では、積載の取れてない4t車はあまり使い勝手な良くないというイメージを持つようになってきました。飲料や食品関係を運ぶ運送会社は、車格は一緒で最大積載量の大きい7t車というのを選ぶ傾向が強くなってきています。重量を詰めれば積めるほど、輸送費は安くなっていくわけですから、この流れは仕方ないことです。
一方で、アパレル関係の物流であれば、容積さえ取れていれば積載量はあまり関係ありません。
結局のところ、何を重要視するかによって手配する車輌が変わってくるということなのです。わたしは2次配送に携わることが多いので4t車をメインに配車していましたが、1次配送や幹線便(長距離の配送)に多く携わっている配車マンは10tや特大車じゃなきゃ使い勝手は悪いでしょ、となるわけです。
どちらにせよ、荷物に適したトラックを手配することが、配車マンに課せられた使命であり命題なのです。自分が取り扱うことが多い荷物がなんなのか?そのトラックを手配できる運送会社はとこなのか?それを把握することがまずは配車の仕事をする一歩となるわけですね。