配車マンたろーです!
今日は物流事故のひとつ、誤配について考えてみたいと思います。
物流における誤配とは?
字の通りなのですが、誤って配送してしまうことを誤配といいますね。事故というと、荷物を落として破損してしまったとか、車にぶつかってしまったとか、そういうのを考えるかつ思いますが、物流業界では誤配もれっきとした事故なのです。
われわれの仕事は荷物を正しい場所から正しい場所に届けることです。それができなかったということは、事故という理屈なのですね。なので、この事故をいかに減らしていくかが、物流会社として世間から信頼を得ていく手段であり、真摯に取り組んでいかなければいけない事象なのです。
では、誤配というのは具体的にはどういうことなのか。大きく分けると二つあります。
・配達先を間違えてしまう誤配
・納品するものを間違えてしまう誤配
どちらも重大な事故となります。どちらも気をつけるべき事故なのですが、長くなりそうなので今回は配送先間違えの誤配について書きたいと思います。また、配車マンと乗務員とで気をつけるべき点が若干違いますので、今回は配車マンとしてどこに気をつけるべきなのかを言及していきますね。
配達先を間違えてしまう誤配
荷主から電話があって、
「あの荷物、違うところに届いているみたいなんだけど!」
なんて言われた日には、配車マンは真っ青ですよね。残念なことに結構な割合で起こってしまうのが配達先誤り。
そもそもなんで配達先を誤って届けてしまうのか?一番の理由は思い込みというのが大半なようです。統計を取ったわけではないのですが、誤配をした乗務員にたいして事情を聞くと、まず間違いなくそういう答えがかえってくるので、当たってると思います。
配送先間違いを起こすのは、ほぼ納品先の名前が昔持っていたことがある配送先と同じもしくは似ているというのが乗務員あるあるです。例えば、東京の町田市に越後屋さんという納品先があるとします(実際にあるかもしれない名前ですね)。乗務員はなんどもそこに納品に行ったことがあるわけです。そこに、町田市の東京越後屋という納品先が新しく出来たとして、その配送をそのルートを回っている乗務員に任せたとします。
すると、越後屋という名前だけをみて、ついついいつも行ってる越後屋さんに納品に行ってしまう。とこういうことなのですね。
厄介なのが、割と問屋のような得意先だと、
「あれー、こんなの頼んだかな?」
なんて思いながら、荷物を受領してしまうことがるということなのです。こうなると本当にややこしいのですが、問題が発覚するのが遅れたりしてしまいます(最終的には配送する側が悪いということで終わりますが…)。頼んでないなら受領するなよ、と配車マンは思いますが、そういうものなので仕方ありません。
なので、これをどうにかして防ぐ手段を考えなければならないんですね。
配車マンとして気をつけられることは、誘導をしっかりやる、これにつきます。というか、配送する人が乗務員である以上、配車マンはそれ以上はできないと思うべきでしょう。
積み地と降ろし地をちゃんと指示したか?
自社荷物の場合は積み地が自社もしくは普段行っている荷主だったりするので、とくに誘導はしないと思いますが、取り扱いの仕事をしている場合、積み地の指示を口頭で伝えることがあると思います。
誘導の際に、積み地の住所だけ伝えている人がいるかと思いますが、これは結構危険です。誘導の際はかならず、積み地の住所・積み地の会社名・積荷・担当者・電話番号、これくらいの情報は乗務員に伝えるべきです。間違えて隣の会社に入ってしまい、同じような荷物が存在した場合、誤って別の荷物を積んでしまう可能性だって無きにしも非ずなのですから。
逆の立場になって考えてみればわかると思いますが、住所だけ伝えられてここに積みに行ってくれ、なんて言われても不安になりませんか?会社名はここであってるのかな?積み地に入ったら誰を尋ねればいいんだろ?どんな形状の荷物を積むんだ?近くに来たけど入る場所がわからなかったらどうしよう?そんな風に思いませんか?
また、積み地だけ伝えて降ろし地を伝えない誘導もできれば避けた方がいいです。面倒でも、わかっているなら降ろし地の住所と降ろし場所まで伝えた方がいいです。なぜなら、受けた荷物と違う荷物を積まされてしまう可能性があるからです。
もう積んじゃったから、とりあえずそれ行ってよ、なんて言われてしまったら目も当てられません。次の行程も組み直さなければならず、結果的に誘導を行った責任は自分に返って来てしまうわけですから。
乗務員には積み地と降ろし地を必ず伝え、乗務員に下ろす場所の伝票を確認させてから積み込みを開始するように口を酸っぱく伝えるのが誤配を減らすポイントです。
積み上がりの報告をもらったか?
乗務員の中には、翌日の荷物を積み込んだらハイおしまい、というタイプがいます。配車マンも慣れてしまい、特に報告がないということは終わったということだな、なんて思って放置しがちです。そういう人に限ってけっこう仕事ができたりするので。
しかし、積み上がりの報告は仕事が終わったよ、という連絡だけのためにさせるわけではありません。無事に積み込みが終わったのか?積み込み先でおかしなことはなかったか?降ろす時の伝票は渡されたか?無いならなくてもいいのか確認したのか?そういったトラブルになりえそうな情報を乗務員からもらうことも、報告を受ける重要なポイントなのです。
逆に言うと、積み上がりの報告をもらったのに対して、お疲れ様ですくらいしか言わない配車マンは事故を必ず起こすと思っていいでしょう。乗務員が事故を起こすんじゃありません、配車マンが事故を起こさせるのです。
乗務員も人間ですから、ちょっとしたことでポッと抜けてしまうこともあるでしょう。そこをフォローするのが配車マンの仕事なのです。
納品終了の報告の際、確認作業をしているか?
同じようなことで、納品終了の際にも確認は必須です。うるさいな、と思われようが、かならず確認し言質をとることが重要です。確認すべき重要なことは、
・伝票に受領印をもらったか
・伝票枚数はあっているか
・受領印と納品先の名前はあっているか
・なにか変わった点はなかったか
以上のことは絶対に確認しなければならないポイントです。
稀に受領印が押されて返される得意先で受領印を押し忘れて返されてしまうということがあったりします。納品前に伝票を提出し、納品が終わったら所定の場所から伝票を持っていく、というスタイルの納品先に多いです。こういうこともあるので、必ず伝票の受領印が押されているかを乗務員に確認させたほうがいいでしょう。
朱肉が薄くて印が読めないなんてこともあるので、その際は押し直してもらうなりさせると、何かあった時に事故が起きなくてすみます。その時に、ついでに受領印と納品先の名前があってるかを確認させるのです。
仕事が終わってから、その仕事で揉めるのが一番労力を使います。乗務員も同じような仕事を毎日毎日しているので、全てを覚えているわけではありません。何か変わった点がないかは必ず確認し、報告を求めましょう。というのも、乗務員も人間ですので、
「あれ、こんなことあっていいのかな?」
なんて思っても、配車マンから、
「次はここにむかって!」
なんて言われたら、とりあえず違和感を胸にしまって次の仕事に切り替えてしまう場合が大半です。
しかし、それは今の仕事がきちんと終わってからの話です。急いでいる場合であっても、いえ、むしろ急いでいるからこそきちんとこの仕事が終わったということを確認してから着手するべきなのです。些細なことでも報告をもらって、荷主に伝えるべきことは伝えて事故を減らしていきましょう。
まとめ
私が口をすっぱくいっている誘導の大切さは、乗務員に事故を起こさせない!という点に集約します。例えば、受領書を早く返してくれ、と荷主に言われた時に受領書が手元にない!なんて事態が起こった時、仕事の時に乗務員から、
「この仕事、他の車と合計3台で納品だったので、最後の車に受領書は全部渡しましたよ」
なんて報告を受けていれば、そもそも荷主に報告をし、そんな問い合わせすら来ないはずですよね。これは1件おろしであろうが、複数件降ろしの仕事であろうが同じことです。面倒でも1件1件終了後に報告をさせるように仕向けるのが1流の配車マンだと思います。
さてさて、次回は納品するものを間違えてしまう誤配について記事にしようかと思います。ようするにこれも納品先を間違えてしまっている、というパターンが多いのですが、もう少し現象としてはめんどくさいものであると私は思っています。
お楽しみに。