配車担当のたろーです!今回は長時間待機・付帯作業についてです。
トラックの乗務員の仕事は、荷物を積んで届けることです。ここに異論はないはずですね。しかし、たったそれだけのことなのに、配送には様々な問題が降りかかってきます。それを解決するのも配車マンの役目、とも言えますね。
納品先での待機発生!
当日の仕事、もしくは積み置きした仕事で降ろし地に行き、納品を行うとします。
取扱の仕事、当日・積み置きの解説はこちら。
納品先にて受付をし、現場の人に
「今混んでるからちょっと待っててね」
と言われ、かれこれ2時間は待たされている…。これ結構よくある光景だと思うのですが、基本的には乗務員を30分以上待たせるのは待機とみなされてしまい、待機料を支払わなければならない、ということを目指しています…。
というのも2017年11月に標準貨物自動車運送約款を改正することを国交省が発表し、実際に施工されました。新しい標準貨物自動車運送約款によると、
○適正な運賃・料金を収受するための方策として標準貨物自動車運送約款を以下の通り改正する。
1荷送人が運送依頼をする際に作成する運送状等の記載事項について、「待機時間料」、「積込み料」、「取 卸し料」等の料金の具体例を規定する。
2荷待ちに対する対価を「待機時間料」とし、発地又は着地における積込み又は取卸しに対する対価を「積込み料」及び「取卸し料」とそれぞれ規定する。 3附帯業務の内容に「横持ち」、「縦持ち」、「棚入れ」、「ラベル貼り」及び「はい作業」 を追加する。 等
という風に書いてあります。これにより、自社の約款を標準貨物自動車運送約款としている場合、待機時間料を明確にすることが必要となってしまったわけす。これを荷主に対して主張した場合、待機料を貰えることになるわけですね。
まぁ実際には約款が変わったことにより、荷主に変わったことを通知し快諾を得てからの配送から実際に実施ということになるとは思いますが…。一応まだ支払わないことが即違反ということにはならないようですが、大手企業ほど体裁もあるため待機料を支払わねばならないと考える傾向が強くなってきているようです。
しかしながら、配車の仕事をしていればわかりますが30分の待機なんてザラにある話です。繁忙期に荷物が下りないというのは、物理的にも当たり前ですし、待機をさせているのは納品先の物流倉庫であり荷主ではないこともあり、荷主に待機料を請求するのってなかなか勇気がいることだと思います。
単純に待機料を支払うこと!というのは簡単ではありますが、本質的な解決にはなかなか向かわないのではないか?というのが私の今の見解です。港湾系は検閲が長引いて積むのにも待機が発生したりしますしね。難しいところです。
やらせると契約違反!?付帯作業とは?
前述した標準貨物自動車運送約款ですが、付帯作業につても明記があります。いままでは配送に関わる積み込みや荷下ろしなどは、配送の範囲内ということになっていましたが、今回の約款の改正で運送以外の行為は全て付帯作業ということになりました。
ですので、自主荷役などは付帯作業になりますし、棚入れなんかはもってのほかということになりますね(棚入れとは、卸先の倉庫で格納する棚に入れることです)。
いわゆる二次配送と呼ばれる、センターから問屋や商店などに配送するトラックは、この付帯作業のオンパレードだったりします。工場からセンターに納品する1次配送なんかは、数もそこまで多くないですし、軒先条件なども把握しやすいです。しかし、2次配送は納品先が多く、配車マンも軒先条件を全て把握できるかというとなかなか難しいところがあります。
予期せぬ付帯作業料の請求をされないように、2次配送の荷組を行なっている配車マンは軒先条件を十分にチェックする必要がありますね。いままでのように、とりあえず行ってきてだと痛い目を見ることになりそうです。
まとめ
運送会社からすると標準貨物自動車運送約款の改正は労働条件の悪い物流業界において、労働条件改善のために非常にいい施策と言えます。
しかしだからと言って、実際にそれを請求できるかというと、仕事がなくなる可能性もありなかなか難しいのではないかと思います。特に、他の業者が待機料や付帯作業料を請求しない方針をとってしまった場合、別の会社に仕事を取られてしまう可能性もありますからね。
一方で、荷主側の配車マンは出費が増える可能性がある非常に頭の痛い問題になることは間違いありません。それが業界の正しい姿だとしても、末端の配車マンは普通は決裁権をもちませんから、勝手に待機料を払ったり付帯作業料を払ったりはできないわけですからね。会社と一緒になって問題に取り組んでいくことが大事です。
まだまだ標準貨物自動車運送約款の改正の問題は始まったばかりですので、注意深く監視していきたいと思ってます。