配車担当のたろーです!ピッキングミスの対策してますか?
倉庫のピッキングミス対策は会社の必須業務
前回の記事で乗務員のピッキングミスについて書きました。
しかし、ピッキングミスの対策をしなければならないのは、乗務員ではなく倉庫であることは言うまでもありませんよね?
正直配車担当としては、
「お前らがピッキングミスするから誤配するんだろうが!」
と思わなくもないですが、あまり声高々に発してしまうと社内に敵をたくさん作ってしまうので、それとなくそういう雰囲気にもっていくのがいいのかな、と戦略を立てたりしますけど。
で、ピッキングミスっていうのはどういう時に起きるのかというと、間違った製品を取った時に起きるわけです。…なに当たり前のことを言ってるんだ?と思うかもしれませんが、間違った製品を取らなければピッキングミスは起きませんよね?
では、どういうときに間違った製品を取ってしまうかというと、これは人間の思い込み、これに尽きるのです。
従来の一般的なピッキングというのは、伝票に書いてある商品名を見て、その商品を取ってくる、というもの。しかし、これの欠点は、同じような名前のものがあった場合、間違える可能性があるということですね。つまり、間違った製品を取る可能性があるわけです。
これを防ごうと開発されたのが、何桁かの数字を組み合わせた商品コードです。商品コードを製品のラベルにも印字し、伝票にも印字することで突き合わせを簡単にしたものです。
そして、大量のピッキングをするために、ピッキングリストというのができました。これは商品コードと商品名、数量を一度に把握できる1枚のリストです。これにより、伝票一枚一枚確認しながらピッキングする必要がなくなり、必要な数量を必要な数だけピッキング出来るようになったのです。
しかし、これにも間違った製品を取ってしまう可能性があります。例えば連番の商品コードで名前も似通っていたりすると、思い込みで間違った商品を取ってしまう可能性があります。リストを確認するのは人間の目ですから、例えば6と8を見間違えたりということもあり得るわけです。
このミスの対策をするために、今度はハンディターミナルが開発されました。これにより、ピッキングするバーコードを読み込み、間違った製品をピッキングすることを防ぐようにしました。
とまぁ、こうやって倉庫はピッキングミスを無くすために日々改善を重ねていったわけですね。
ピッキングはAIの仕事になる
しかしながら、こうやって着々と進んできた対策ですが、やはり扱っているのが人間である以上、間違いというのは無くならないものです。
ハンディできちんとバーコードを読み込んだとしても、隣にある製品を取ってしまったり、または取る数量を間違えてしまったり。基本的にはハンディでのピッキングは製品があってるかどうかのみを判断し、数量はピッキングする人に任されています。ですので、どうしても数量の取り間違いというのは、この方式では改善できないのですね。
私は人間によるピッキングミスを防ぐ対策は、まだまだ無数にあると思っていますが、ITの発展の方が凄まじく、人間を使うよりもはるかに正確に早くピッキングができてしまう時代が来てしまうことにより、この人間のための対策は無駄になるような気がしています。それがAIの活用です。
ロボットはプログラムに応じて動きます。この商品をこの数量ピッキングする、とプログラミングしたら、それを確実に実行します。そしてそれ以外はしません。このそれ以外はしない、というのがミスを0にする確実な方式なのですが、人間にはこれができないのですね。
すでに自動倉庫というのは一部のセンターでは始まっていますし、宅配便を使う小口配送もロボットがピッキングするようになってきています。倉庫の生産性なんていうのは、どこの会社でも指針があると思いますが、日によってブレることがままあると思います。しかし、ロボットを使えばそのブレはほぼなくなります。常にベストパフォーマンスです。
日本人は基本的に真面目で、細かい仕事が得意ですが、外国の倉庫なんかは結構アバウトですよね。これをロボットに置き換えたら相当なコスト削減になるだろう、と経営陣が考えるのは想像に難しくないですね。AIが倉庫を支配する日はそう遠くないでしょう。
人間のピッキングミスをどうなくすのか?対策は?
しかしそうは言っても、1年や2年で劇的に変わるものでもありません。今いる倉庫の人間にミスさせないようにするのは、倉庫のマネージャーの仕事です。
では効果的な方法はなんなのでしょうか?
実のところそんなものはありません。こうすれば劇的に変わる!そんな魔法のようなものは存在しないと心に止めるべきです。人間は知らないことに対して希望を抱く生き物です。もしかしたら、知らないだけでめちゃくちゃいい方法があって、劇的にピッキングミスが減る方法があるかもしれない、そんな考えを抱きがちです。
そんな風に思いながらこの記事を読んでいる人もいるかもしれません。
すいません、そんな方法はありません。私も倉庫にいたことがあるので、どうにかしてピッキングミスを減らしたいと思っていました。そして、色々な本を読んで、どうやってミスを減らしたらいいか?というのを常々考えていました。
しかし、何をやってもどういう手法を取っても、結局ピッキングミスはなくなりませんでした。
そうなんです、ピッキングミスは無くならないんです。まずはそれを受け入れることから、ピッキングミスを減らす対策というのは始まります。ではどうしたらいいのか?
それは地道な啓蒙活動以外ありません。
ミスをしたらなんでミスをしたのか?どうしたらミスをなくせるのか?間違った製品を取ってしまったのはなぜなのか?どうやったら間違った製品をとらなくなるのか?一個一個対策を考えて、試行錯誤していくのです。
また、ピッキングする人の意識の変化も重要です。なぜピッキングミスをしているのか?ミスをすることがどういうことにつながるのか?どうやったらミスをなくせるのか、自分で考えさせなければ絶対にミスは無くなりません。
会社自体が、ミスによる事故を減らしていくよ!という先導をすることも重要です。声をあげるだけではなく、実際に行動を起こすことも大切です。いままでなかった事故撲滅に対するスローガンとか、各営業所でこんな事故が起きてますよなどのアナウンスとか、こうやったら事故は減るんじゃないか?という注意喚起とか。
結局のところ、その仕事に関わる全ての人が、ミスをなくすぞ!という意識を持って、同じ方向を向いていかなければミスは減らないということをわからなければならないのです。
まとめ
ダラダラとまだまだ書いてしまいそうなので、今回はこの辺でまとめたいと思います。
現代の倉庫のピッキングは過去の対策の上で出来上がってきた。そして、そこから発展してピッキングミスをなくしていくためには、そこで働く人全てがミスをなくしていくぞ、という意識の変革が必要である。
短くまとめるとこんな感じです。うーん、まとめると短いので色々書きすぎですね(笑)
ミスや事故についてはまだまだ書きたいことがありますから、今後も記事にしていきたいと思います。
倉庫事務についてのお話も書いてます。