物流だ!配車マンの苦悩、ストレスの日々

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メーカー対現場!メーカーさん物流知ってますか?

配車担当のたろーです!物流子会社ってご存知ですか?

 

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メーカーの受け皿になる物流子会社

 

6月のロジビズをぱらぱらと眺めていたら、物流子会社の特集をやっていました。みなさんは物流子会社ってご存知ですか?まぁ物流やってたら知らない人はあんまりいないかもしれませんね。

 

昔はいろいろなメーカーが物流子会社を作っていました。湯浅和夫著の新しい「物流」の教科書によると、

 

物流子会社は、第一次石油ショックがもたらした「減量経営」が生みの親なのです。実は、従業員の減量の一環として疲れ割れたのが物流子会社だったのです。

 

とのことです。1975年以降に、「物流子会社ブーム」と言われるくらい物流子会社が設立されていたのこと。まぁなんとなくわかるのですが、メーカーとしたら正社員の首はなかなか切れないし、だったら子会社作ってそこに出向させよう、といった感覚だったんでしょうね。

 

 

新しい「物流」の教科書
湯浅 和夫
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そんなわけで、メーカーからすると物流子会社は自分たちよりも下の会社、という存在なわけで、メーカーで尽力して勇退したような部長クラスの人材が出向してくるわけです。

 

「俺が物流の現場を変えてやる」

 

てな感じでしょうね。もしくは、

 

「メーカーからしたら物流なんてヌルい職場だから、最後はぬるま湯で仕事をするか」

 

みたいなイメージかもしれません。

 

いずれにしろ、現場の評判はあまりよくないことはいうまでもありません。なぜなら、出向してきた人は結局メーカーの人間だからです。

 

トンチンカンな指示で現場を混乱させる出向者達

 

基本的にメーカー側の人間で、なおかつメーカー側の人脈も豊富な出向者は度々現場を混乱に陥れます。現場はルールに基づいて動いているのに、イレギュラーを簡単に発生させるんですね。

 

「悪いけど、この商品ここの得意先に追加で出しておいてよ」

 

「ちょっとメーカーに頼まれちゃってさ、あの商品キャセルしといて」

 

「ここの得意先、一番最初に行ってよ」

 

彼らは何故か簡単にそんな指示を出してきます。これが例えば工場のラインとかに関わることであったら、また違うのかもしれません。工場はメーカー直営の場合が多いですから、その辺のルールはわきまえているのでしょう。

 

しかし、こと物流となるとそこの線引きが途端に出来なくなるメーカー出身者が多いのです。

 

配車担当として、物流子会社の人ともやりとりをしますが、最近は多少マシになってきたようですね。ですが、まだまだその名残を残している部分があると聞きます。

 

アウトソーシングしていれば、追加があれば追加料金を取られます。物流子会社だと、メーカーの言うことは聞かざるを得ないことが多いもの。サービスでやらされてしまうわけですね。

 

一部の自立した物流子会社は、メーカーの言うことに必ずしも首を縦に振らないと聞きます。一番大きくて一番有力な物流子会社といえば、日立物流でしょうか。残念ながら、私の会社は相手にもされないので(笑)まともに話したことはありませんが、しっかりした組織を作り上げているようです。

 

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身売りされる物流子会社

 

物流子会社はそんな感じなので、採算が取れなくなる場合がかなり多いです。特に最近は本当に物流費はシビアなので、3PLの物流会社にアウトソーシングするというのが流行りです。有力だと思われていた物流子会社も、売却されることが目立ってきました。

 

最近だとリコーロジの売却はかなり物流子会社界隈ではショックな出来事でしたね。

 

なんでそうなる運命だったのかと言うと、メーカーの名前に安心して入社して来る人がめちゃくちゃ多いからなんです。日立物流はまぁ別格として、例えば先にでたリコーロジなんて、リコーの看板が頭に付いているんだから、入社してしまえばあとはリコーグループが守ってくれるだろう、と思いませんか?

 

実際、そういう理由で物流子会社に入る人も多いでしょう。人が多かった時代はそれでもよかったのかもしれません。安定的な会社に入って、とりあえず食いっぱぐれることがないという安心感から仕事に打ち込める、という考えもあったでしょう。

 

しかし、今は本当に安定志向の強い人が多い時代になってしまい、そういった考えで仕事をしている人は野心がありません。物流業界をどうにかしてやろう、この会社を俺が変えてやろう、そんな気概を持ち合わせていないんですね。

 

そんな人たちが集まる会社が発展していけるでしょうか?売り上げを伸ばしていけるでしょうか?売り上げを伸ばせない会社は、立ち行かなくなり、最終的に潰れてしまいます。そんな会社ならいらないよね、メーカーがそう判断するのもおかしくないですよね?

 

というわけで、物流子会社がどんどん売却されていくのは自明の理だったと言えます。

 

メーカーと現場を対等に!独り立ちしている物流子会社が一番強い

 

しかし、逆にいうと反骨精神のあるような人たちが集まる物流子会社というのは、どんどん成長していける企業ということになります。

 

メーカーの商材というベースカーゴを持ち、その商材をサプライチェーンの上から下までマネジメントできる物流子会社は、社外に対してもそのノウハウを提供できるからです。おそらく日立物流やアルプス物流などのメーカー系の物流子会社が1部上場して上位に食い込めているのはそういうところだと思います。

 

もし新しい職場に物流子会社という候補を考えているのだとすれば、こういった独立している物流子会社に応募するのをお勧めします。自分を高められますし、人脈を広げるという意味でもうってつけです。そして親会社と同等の福利厚生なんかもしっかりしてますしね。

 

ま、でもそういった会社は人を見る目が肥えているので、安定志向のサラリーマンだと受からない可能性もありますが…。

 

メーカーから出向してくる人たちも、物流をちゃんと勉強して、現場から物流を変えてやるぞ!という意気込みで仕事をしていただきたいものですよねー。