配車係のたろーです。
物流業界の配車業務において、よくあるのが仕事の交換ですよね。ちょっと何言ってるかわからない新人配車マンのために説明すると、
配車係たろー
A地点からB地点への仕事を持っている。
しかし、車はC地点にいる。
配車係じろー
C地点からB地点への仕事を持っている。
しかし、車はA地点にいる。
上記のような場合、たろーとじろーは仕事を交換すれば、行程がバッチリ合って二人ともハッピー!これを仕事の交換と呼んでいます。そして、割と頻繁に行われている行為ですよね。
売り上げは倍になるし、みんなwin-winです。しかし、これって本当にいいのでしょうか?
物流業界にはびこるバーター取引と交換商法
私も配車の業務をやるまではあまり知らなかったのですが、この仕事のやり方って割とメジャーな方式なんですね。特に長距離をやる仕事となると、2回転3回転の交換なんて当たり前。誘導する乗務員にも、
「あと何回誘導受ければ積み地の住所が聞けますかね?」
なんて嫌味を言われたりもします。それでも最近は車がいないので運賃の関係上あまり交換できなくなってきたみたいですけども、売上第一主義の会社なんかは最後まで交換にこだわってたりするようです。
一方で、バーター取引というのもよくある仕事のやり方ですね。
テレビなんかで芸能人がバーターとか言ってますが、あれとは全く別物で、本来は物々交換を意味するバーター取引。物流業界では、お互いが請け負っている同じような行程の仕事を交換し、お互い売上アップさせようね、という仕事のやり方を指すようです(人によって若干ニュアンスは違うようですが)。
例えば、ビール会社Aの持っている車を、ビール会社Bの仕事に当て込み、ビール会社Bが持っている車を、ビール会社Aの仕事に当て込む、みたいな感じです。同じ業界で且つ、納品先もほぼ同じようなもんでしょうから、会社同士で握っておけば売上は倍増する、といった算段ですね。
さて、この仕事を交換するという点では同じような仕組みですが、決定的に違うことがあります。
それは、配車係が決めているか、会社が決めているか、の違いです。
バーター取引をやめたい配車係
仕事の交換というのは、配車マンが取った仕事と車両の行程が合わない場合に行う、いわば仕事をよくするための交換です。配車係からしたら、効率と売り上げの追求になるわけです。ですから、交換については配車係も積極的ですよね。
また、交換するにしても、自分が持っている車の配車権はあくまで自分にあるわけですから、指示も含め仕事がやりやすいわけです。
しかし、バーター取引の場合は会社同士で決められているため、強制的にバーターの仕事をやらねばならず、自分の手持ちの車をバーターの仕事に当て込むために手駒も減ってしまうわけです。また、そこにはこちらの配車権は存在せず、相手に任せることになってしまうわけですね。
つまり、嫌な仕事が振られても文句が言えないということです(実際は言ってもいいと思いますが、色々会社同士でやってるとめんどくさいでしょ?)。
ですから、確かに売上は上がるというのはわかるんですけど、1配車係としてはバーター取引というのは正直撤退したいと思っているのが現状なんじゃないかなー?と私は思っています。どうでしょうか?
交換は無くならないがバーターはなくなると思う
私の予想では、バーター取引は今後おそらく減少していき最終的にはなくなるんじゃないかと思っています。自社便を相手に預けてしまうというのは、運行管理的にもコントロール出来ませんし、法令遵守をすることが難しいからです。
拘束時間等気にしてくれる荷主もいますが、結局繁忙期になってしまえばそうも言ってられないというのがどこの業界も一緒ですよね。
ですから、コンプライアンスを守るのであれば、配車権はあくまで自分のところに残しておいて、あくまでスポットの傭車として仕事をするのが一番いいはずです。うちのような中小企業も、乗務員の確保が大変になってきていますから、辞められないように気を使いながら配車したい。
ですから交換はおそらく無くならないと思います。行程をよくするための一手間ですから、何を言われようが無くすことは難しいはずです。
乗務員の拘束時間の問題が、バーター取引とかまでに波及していく物流業界にとっては大変な時代に突入してきたものです。臨機応変にやっていきましょう。