物流だ!配車マンの苦悩、ストレスの日々

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決算シーズン到来!物流企業は増収減益?

配車係のたろー(@haisyaman_taro)です!

 

何気なくLNEWSを見ていたら、決算シーズンで各物流会社の決算速報が発表されていました。

 

lnews.jp

 

細かく見たわけではないのですが、見出しだけ見ると増収減益の企業もちらほらと。はて?一体何が起きているのでしょうか?

 

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株価は下がってますが物流費は上がってます

 

高騰する物流費

 

簡単にニュースの見出しのみ、掻い摘んで羅列してみたいと思います。

 

住友倉庫/3月期の売上高5.9%増、営業利益は14.6%減(05月14日)
日本トランシティ/3月期の売上高4.7%増、営業利益42.7%増(05月14日)
エア・ウォーター/物流関連事業の売上高6.7%増、経常利益40.3%増(05月14日)
遠州トラック/3月期の売上高12.6%増、営業利益12.3%増(05月14日)
サンリツ/3月期の売上高6.1%増、営業利益20.0%増(05月14日)
タカセ/3月期の売上高2.3%増、営業利益179.2%増(05月14日)
大運/3月期の売上高7.3%増、営業利益72.0%減(05月14日)
乾汽船/3月期の売上高11.8%増、営業利益51.6%減(05月14日)
ヨコレイ/10~3月の冷蔵倉庫事業、売上高8.8%増、営業利益7.9%増(05月14日)
福山通運/3月期の売上高6.7%増、営業利益32.3%増(05月13日)
丸全昭和運輸/3月期の売上高5.7%増、営業利益23.2%増(05月13日)
ロジネットジャパン/3月期の売上高9.6%増、営業利益20.1%増(05月13日)
丸運/3月期の売上高3.1%増、営業利益7.7%増(05月13日)
ゼロ/7~3月の売上高12.3%増、営業利益31.9%減(05月13日)
日本石油輸送/3月期の売上高3.9%増、営業利益17.5%減(05月13日)
トレーディア/3月期の売上高7.0%増、営業利益13.7%減(05月13日)
マルハニチロ/3月期の物流事業、売上高2.4%増、営業利益0.4%増(05月13日)
東海運/3月期の売上高2.5%増、営業利益15.5%減(05月13日)
共栄タンカー/3月期の売上高7.2%増、営業利益14.7%増(05月13日)
極洋/3月期の物流サービス部門、売上高3.9%減、営業利益6.9%増(05月13日)
デリカフーズ/3月期の売上高、物流事業は25.5%増(05月13日)
日本コンセプト/1~3月の売上高5.1%増、営業利益10.5%増(05月13日)
セイノーHD/3月期の売上高3.7%増、営業利益11.9%増(05月10日)
近鉄エクスプレス/3月期の売上高7.0%増、営業利益18.5%増(05月10日)
センコーグループHD/3月期の売上高7.6%増、営業利営14.9%増(05月10日)
上組/3月期の売上高5.2%増、営業利益1.5%増(05月10日)
ニッコンHD/3月期の売上高5.3%増、営業利益は5.4%増(05月10日)
トナミHD/3月期の売上高5.0%増、営業利益29.2%増(05月10日)
渋沢倉庫/3月期の売上高2.1%増、営業利益は11.5%増(05月10日)
ケイヒン/3月期の売上高9.0%増、営業利益15.7%増(05月10日)
エスライン/3月期の売上高4.9%増、営業利益16.0%増(05月10日)
岡山県貨物/3月期の売上高4.0%増、当期利益8.0%減(05月10日)

 

簡単に集計してみたところ、この見出しだけでも32社のうち、8社が増収減益です。赤字というわけではないでしょうが、物流費の高騰に喘いでいる企業があることがわかりますね。減益の会社を見てみると、どうも海運系が被害を受けているように見えます。ストライキの影響もあったんでしょうかね?

 

中国の景気減速も手伝って、貿易系の物流企業は軒並み利益を下げたようです。一般貨物はまだまだ元気なようですけど、輸入が減れば必然的に内需の物流も少なくなるので、今後は内需系の物量も減少していくんでしょうか。GW開けでかなり暇なのに、今後どうなっていくのか一配車係としては気が気じゃないです。閑散とした日常は恐怖ですよ、マジで。

 

業者の値上げに荷主の値上げが追いつかない?

 

先日、弊社の協力会社も値上げの要請に来ていました。去年値上げを飲んでいることから、今年はゼロ回答にするようですが、今の時代すぐに業者が離れていってしまうので対応が難しいところです。

 

しかし、会社としては荷主が値上げをしてくれない以上はなかなか業者の値上げを了承するわけにもいきません。会社の存続価値は増収増益が基本ですからね。減益しうる要因を自ら作るようなことは出来ないわけです。

 

しかし、先ほども書いた通り今はちょっと対応を誤ると、さっさと業者が離れていってしまう時代です。自社荷物を運ぶために定期で預かっている傭車ならまだしも、スポットで借りる車に関しては値上げを飲まざるを得ない状況もあったりします。

 

たろー「明日車1台足りなくて借りたいんだけど〜」

 

業者「周りにいることはいたんですけど、いつもより1,000円高いんですよね」

 

たろー「(運べないよりマシか…)わかりました、じゃあそれでお借りしますね」

 

てな感じです。そう言えば、配車係から「行けるんだけどもうちょっと運賃あがらない?」という言葉をよく聞くようになった気がします(苦笑)

 

値上げを了承してくれない荷主

 

業者から見れば我々も荷主ですが、我々物流企業もメーカーなどから荷物を預かっているわけでして、大元の荷主が値上げを了承してくれない限りは運賃に転嫁されません。

 

やはりというかなんというか、荷主は値上げには消極的です(当たり前ですが)。

 

メーカーこそ、物流費の高騰で減益になる急先鋒ですからね。重い腰を上げられないのは事実。また、風上が値上げをしてくれなければ風下が値上げされることはないわけですから、行程が下流になればなるほど値上げの恩恵を受けづらくなるわけですね。

 

ちょっと前にうちの会社も某メーカーさんに値上げの要請に行きましたが、

 

「もう来期の予算組んじゃってるから無理だよ」

 

の一点張りだったそうです。…うちらに死ねっていうこと?という感じですよね。

 

しかしながら、物流費が高騰しそうだから先に値上げの要請をしておこう、というのなかなか出来ないのが物流企業であります。規制緩和で運送会社が増えてしまったため価格競争が起き、サービスと低運賃で仕事を取るということをやってきたツケが来ているんでしょう。

 

トリックスターが必要

 

タクシー業界なんかもそうですけど、飽和してしまった業界というのは改善しようにも複雑な利権も絡み合って、なかなか改革を進めることができません。

 

物流業界にもITを駆使して180度ひっくり返るような存在、つまりトリックスターのようなものが必要なんじゃないかなーと改めて思うわけです。

 

タクシー業界なら、今はUBERですよね。

 

まぁ、とりあえず現場最前線の我々はできることを粛々とするしかないので業務に臨みますが、数年後には、

 

「俺らの業界がいなけりゃあんたら荷物運べないんだからさー」

 

くらいに強めの立ち位置になっていたいものですよね。