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取扱(手配)事業の今後はどうなるんだろう?AI台頭の時代

配車係のたろー(@haisyaman_taro)です!

 

今回は配車係の仕事の未来についてちょっと考えてみたいと思います。

 

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未来はあるのか?

 

取扱の仕事ってどうなの?

 

誤解を恐れずに言うと、取扱の仕事というのは、

 

  • A地点からB地点まで運べるトラックを探すこと

 

と言うことになります。

 

つまり、マッチング条件としては、

 

  • A地点に何時までに入り
  • B地点に何時までに到着できる
  • 積載が取れている車

 

ですよね。

 

この条件に当てはまる車両を探す、というのはコンピューターが非常に得意な仕事なのです。いわゆる検索条件というやつですね。

 

ですから、外部の人間からすると自動化しやすい案件なわけです。こういうのはAIは超得意でしょう。荷物情報と車両情報を合わせれば一瞬でマッチングさせることができます。

 

これだけみると、取扱の仕事って将来が無さそうに思えてきますよね。

 

トラブル対応も可能なAI配車マン

 

現役の配車マンからすると、

 

「いやいや、トラブルが起きた場合、決まった行程を変更できるのが人間の対応力でしょ?」

 

となるでしょう。

 

しかし、決まってしまったことしかできなかった従来のコンピューター配車と違い、AI配車というのはコンピューターが考える配車です。トラブルが起きた場合も瞬時に解決策を叩き出してしまうのがAIというものです。

 

前行程で思ったよりも時間がかかってしまい、A地点へ入るのが遅れてそうな車を配車していたとしましょう。

 

すると、遅れているという情報を察知したAIが、瞬時に行程を入れ替え、もしくは別の車を手配してトラブルを回避してしまうということが可能です。

 

高速道路が事故で渋滞しているという情報をネットから仕入れたAIが、乗務員(おそらくその時は乗務員もAIになっているでしょう)に別ルートを指示する、といった具合ですね。

 

もちろん、こんな世界になるのはかなり先の話だと思います。しかし、こんな時代は必ず訪れるはずです。実際、自動走行の試験はすでに始まっていますしね。長距離輸送はもしかしたら、思ったよりも早く実現してしまうかもしれません。

 

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それでもなくならない取扱

 

しかしながら、私はそれでも人間が配車するシーンというのは根強く残ると思っています。大多数の配車係は職を失うかもしれませんが、やはりAIだけで配車するには当面は限界があるからです。

 

真っ先に思いつくのは交渉事です。

よくあるのが、

 

「10t低床探してるんですけどー」

 

という荷主さん。よくよく話を聞いてみると、高床でも乗るということがないでしょうか?

 

「高床ならいるんですけどー」

 

「確認したら高床でも乗りそうだからお願い」

 

みたいなやりとりってよくありますよね。しかし、荷主ってトラックのことをよくわかっていないので、とりあえず安パイな低床を指示しがちです。

 

AI配車の場合、最初に登録した荷物情報というのがキモになってきます。ここに低床というキーワードを入れてしまうと、高床車は絶対にヒットしないわけです。つまり荷主側の問題で車が手配出来ない状況が発生してしまうわけですね。

 

コンピューターはこういう臨機応変な作業が極端に苦手です。もちろん、高度化したAIならば可能になってくるかもしれませんが、これはさすがにまだまだ先の話でしょう。

 

なので、こういった提案ができる配車係というのは断然生き残っていくと私は思ってます。他にも混載便を手配している配車係というのも、この先はかなり重宝されるのではないかと思います。

 

チャーター便も活路あり

 

どうしても届けなければならない荷物というのも存在します。

 

いわゆるチャーター便です。個人的には、これ狙いで待機する車輌も存在し始めるんじゃないかと思ってます。

 

今は共同配送が主流で、いかに混載して積載効率をあげるかで配送単価を下げていますよね。しかし、荷主都合でどうしても届けたい、届けて欲しい荷物というのもあるわけです。既存の共同配送だと時間の都合上間に合わない場合、チャーター便として手配をかけるわけです。

 

これについてはおそらく単価がこの先どんどん上がっていくでしょう。

 

荷主は二択を迫られるわけです。

 

  • 赤字になっても届けるのか
  • 赤字になるくらいなら共同配送で遅延させて届けるか

 

この天秤のバランスが極端に崩れていけば、需要の少ないチャーター便の数も市場から少なくなりますので、一回の単価が上がっていくというストーリーです。配車係としては、このチャーター便を手配出来れば、その日の売り上げがかなり期待できますよね。

 

ただこれはバランスが難しいので、これだけ狙っていくのには正直無理があると思います。たまたま車輌があいてたから取れた、くらいでラッキーに思うのが最終的にはいいのかもしれませんが…。

 

結論としては

 

グダグダ書いてきましたが、私の結論としては取扱の仕事は今後減少傾向になるでしょう、しかし完全になくなることはありえない、ということですね。

 

やはり付加価値を与えることができる配車係というのは今後も生き残れると私は思います。まぁ付加価値を与えられる人というのは、どんな職種でも生き残れるんでしょうけどね。

 

あとは、大穴としてインフルエンサー配車マンというのも生き残れる可能性がありますね。

 

あの配車係に荷物をお願いしたい!といって、仕事が舞い込むというのは考えられる話です。これって、乗務員にも言えることで、あの人気の乗務員に仕事を頼みたいっていう荷主っていると思うんですよ。このインフルエンサー論ってのは、また別の機会に書こうと思ってますけどね。

 

ま、私がインフルエンサーになることは恐らくないと思うんで、その線で生き残るのは難しそうですが(笑)

 

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