問題も課題もまだまだ山ほどある
配車係のたろー(@haisyaman_taro)です!
予約システムはなぜ流行っている?という記事を書きましたが、結構長くなってしまったので二つに分けました。もし未読の方はそちらも読んでいただけると助かります。
予約システムはいいことばかりではない
物流センターにとっていいことづくめの入庫予約システムですが、もちろん課題や問題点も存在します。いろいろありますが、とりあえず4つに絞って書いていきましょう。
予約システムは時間指定である
まずは、予約システムは時間指定であるということです。これはいい点でもあり、もちろん悪い点でもあります。宅急便でも時間指定は話題に上がることが多いと思いますが、なにせ日本人は時間にめちゃくちゃうるさいです。9:00着!となっていたら8:50〜9:05くらいの間に来い!くらいの心にゆとりがない人ばかりなんですね。
道路状況や前行程からの出発時間等、時間通りに運行出来ない理由なんて無数に存在します。プロなんだからそれを見越して運行しろよ!という意見もあると思いますが、そもそも労働時間を適性時間にするために予約システムを導入しているのに、遅れないように乗務員は早く行動しろなんて、片手落ちも甚だしくありませんか?
配車としては、せめて1時間くらいの猶予があるような時間指定にしてもらいたいものです。
予約時間通りに降ろせない場合もある
問題点二つ目としては、予約時間通りに着車しても降ろせないことがあるということです。なんならそこから長時間待機が発生することも、納品先によっては存在します。
そもそも、予約時間がどのようなロジックで設定されているのかは私にはわからないのですが、おそらく高額なシステムを導入している以上複合的に時間を設定しているはずです。大きいセンターの運営に携わったことがないのですが想起すると、
- 入庫計画(どのトラックにどれくらい入庫数量があるのかなど)
- 倉庫状況(空き状況などですぐ荷物が保管出来るかor作業が発生するかなど)
- 倉庫人員(荷物に対して人員を当てはめて作業効率を導き出すなど)
という三点から時間を弾き出しているのではないかと思います(まさか単純な4tか10tか、とか台数だけで出してない、よね?)。
しかし、そのような計算で入庫予定時間を算出しているはずなのにもかかわらず、入庫時間がどんどんズレいくセンターがあるわけです。システムが入っている以上は時間通りに荷物を降ろせるはずだ、と配車組をしていることもありますので、もし降ろせないとなると乗務員がやるはずだった次の行程が出来なくなってしまう可能性があります。
つまり予約システムの精度の問題です。
予約時間を希望通りに取るのが難しい
これはセンターによるのかもしれませんが、希望の時間を書いても受理されないケースが多いです。システムがどういう判断をしているのかわかりませんが、例えば希望の時間を出した場合、競合がいなければその時間はすんなり入り、被ってしまった会社は二次抽選に入る。つまり、抽選から外れるとどんどん希望の時間とは違う時間になっていく、という仕組みなのかな?
わかりませんが、9時に希望出して、帰ってきた予約時間が18時だった時はさすがにひっくり返りましたね。どうしたらそうなるのか…。
共同配送に向いてない?
最後に取り上げたいのが共同配送についてです。物流業界で共配と呼びますが。
実はこの共配と相性がかなり悪いように思ってます。前回の記事でも書きましたけども、結局予約システムを導入する最初の背景というのは、センター側の効率化に起因している部分が多いんですよね。つまり、言い方は悪いですがセンター側は配送する側の背景なんて知ったこっちゃない、というスタンスなわけです。そりゃ会社からしたら自社の利益が出ることが経済活動では第一ですから、先に自分のところというのは仕方ない部分でしょう。
共配というのは、違うメーカーの配送で同じ場所に納品するなら一緒に運んで効率化を図りましょうね、という配送手段です。
つまり、メーカー1社でトラック1車にならないセンターへの配送を纏めて、共配運賃(チャーター運賃だと高い)で運ぼうぜ、という運送側の(メーカーにも恩恵があるのでメーカーも含みます)業務効率から生まれた配送方法なんですが、こいつを成り立たなくさせるシステムになりうる状況になりつつあります。
というのも、共配というのは同じ地域や導線上にある物流センターを数件ハシゴするのが通常です。共配で荷物を纏めたとしても、所詮は少ない数量ですから、それをさらに複数軒詰め合わせて運ばないと運送が成り立たないからです。
しかしながら、予約システムを入れているセンターがあると、今まで通りの運行で納品ができなくなる可能性が高いわけです。今までは南から順番に北上していけば終わっていたのに、一回戻って納品して、みたいな形になってしまったら、それはもはや共配では運べなくなります。
また、予約システムを全センターが導入してしまった場合、さらにカオスな状況に陥る可能性もありますよね。北行って、南に戻って、また北に行って、また戻るetc…。現状の予約システムは前日予約制で、予約にも時間指定がついている場合があるので(何時までに予約してくれ的な)、このセンターの予約を取ってから、なんてのは難しいですしそもそも一個ずつ予約の状況を確認しながら次の予約を取るなんて業務をしていたら半日終わってしまいます。
予約システムを考えた人は、一台一センターという考えしか持ってなかったんでしょうかね。
ホワイト物流実現はまだ道半ば
ホワイト部流のポータルサイトを見ても期間が決められているようには見えなかったので、おそらく長期戦で達成することを視野にいれたプロジェクトだと思います(そもそもすぐに改善できる話でもないですしね)。
各々の立場で業界をホワイトに出来るように頑張っていきたいものですね。
そういえば、前回の記事で闇を抱えた会社がある、ということを書きましたが、
ちなみに、日本を代表する某財閥の食品卸会社は宣言内容が黒塗りになってました…。
— 配車マンたろー@配車係 (@haisyaman_taro) January 17, 2020
なんでだろね?https://t.co/9xmCDycKTX
ということを呟いてますので、よければ確認してみてはいかがでしょうか?ホワイト物流宣言はするけど、自主項目があんな風になっているのは誰かが忖度したからなのか、単純に企業機密なので明かせないよ、ということなのか…。
も、もちろん後者ですよね、そうですよね(震え
ホワイト物流宣言にはいいこともある
さて、ホワイト物流宣言について一個活用方法をご紹介しましょう。
それは、転職を考えた時にまずはホワイト物流宣言をしている業者であるか確認する!ということですね。
もちろんここで宣言をしているからホワイト企業だろう!というのは早計ですが、少なくとも宣言を出してない会社は今後もホワイトする気はないか、そもそもホワイトかすることが出来ないだろうと考えている会社である可能性が高いです(小さい運送会社は別ですが)。
大手企業を考えているならば参考にしてはいかがでしょうか?