物流だ!配車マンの苦悩、ストレスの日々

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コロナウイルスで物流に起きていること

コロナウイルスによる未曾有の状況

配車係のたろー(@haisyaman_taro)です!

 

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マスクも買えない

 

2020年3月29日現在、コロナウイルスが猛威を奮っており、物流にかなりのダメージを与えています。配車係として仕事をしている中で、私が見える範囲でどんな状況になっているかを書いてみます。

 

物流は休めない

 

東京都知事の小池氏が不要不急の外出は避けるようにと外出自粛要請を出しました。しかしながら、物流系の企業と言うのは在宅ワークというのが基本できません。まぁ厳密に言えば、水屋の配車であれば在宅でも出来なくは無いんですが、電話・FAX文化の物流業界においてはそれすらも結構ハードルが高かったりします。

 

あー、大企業の人事系・財務系は在宅でも出来るかもね。

 

まぁどちらにしろ、皆さんの生活を守るために物流は365日昼夜問わず動いているわけです。コロナも怖いけど、ライフラインを守る仕事は止まることを許されないわけです。これは電力とか、水道とか、ゴミ収集とか、そういうのも全く一緒。みんな自分の業界のことしか言及しないですけど、どの業界だって絶対に休めないところもある。そこは一緒に頑張ろうって思って仕事したいですよね。

 

ティッシュが無い

 

コロナウイルスが最初に武漢で話題になった時、なんか中国大変だよねー、港の荷物が止まっちゃって仕事が薄くなりそうだよねー、くらいの結構軽い感じでした。

 

この記事を書いている最中は、なんかコロナウイルス最初に聞いてたのと違って結構やべーやつじゃね?とわかってきているので、あの時の行動とかひどく滑稽に見えるわけですけど。

 

なんでそうなったか詳しい事情はよくわかっていませんが、私がTwitterで見た話によるとティッシュの転売屋?がティッシュやトイレットペーパーが中国からの輸入が止まることで市場からなくなるぞ!というデマを流したところからという感じでした。

 

そこからは本当にティッシュが市場から無くなり、配車市場にもティッシュ案件が溢れるようになりました。ティッシュの仕事って基本的にはバラ積みバラ卸しで且つ安価なので平時には敬遠される傾向が多い仕事なんですよね。

 

結構案件としては回ってきましたが、私は受けませんでした。というのも、これだけティッシュ不足だなんだと騒いでいるのに、運賃が平時のままだったのと、普段受けてない仕事を暇だからと言って受けたくなかった、と思ったからなんですね。

 

普段受けてない仕事の注意点

 

運賃が平時のままというのは、実際にはそこまで困ってないということです。つまり、荷主は何がなんでも届けてくれ、という感じでは無い=通常配送分+αくらいで十分まかなえる、ということ。なので、緊急性をそこまで感じなかったのが一点。

 

普段受けてない仕事を受けないというのは、まぁこれは配車のカンみたいなものでもあるんですが、大体聞いた話と違うとか、やるんじゃなかったとか、最終的に思うことが多いからなんですよね。というのも、これは良い悪いというわけではなくて、普段やっている人たちの普通と、普段やってない人たちの普通が違うということ。

 

例えば、通常装備でいいよ、と言われてもその通常装備が違ったりとか、そういうことが配車の仕事ではよくあるんですよ。なので、普段やってない仕事を受ける際は入念に情報を取った方がいい。入念に情報を聞いて、説明するのがめんどくさいからいいや、となることもありますが、これはこれで仕方ないと思った方がいいです。なんかあった時の後始末の方がめんどくさいので…。

 

食料品系の配送大爆発

 

話が逸れてしまいましたので戻します。

 

このティッシュ不足の後、しばらくして東京都都知事の小池さんがロックアウトの可能性を示唆しました。それに伴い、食料品が不足する可能性が報道され、市場から米やレトルト商品・カップラーメンなどがスーパーから姿を消しました。

 

発表後1週間くらいは上記の配送をしている会社からの配送依頼が爆増。

 

この時点で、通常あり得ないほどの入荷台数が納品センターに押し掛けることとなり、長時間待機や商品持戻りが大幅に増加することになります。

 

食品系の配送も、運賃が安い上に平時でも待機時間が長いので敬遠傾向にある仕事であるため、有事ではありますが、超長時間待機が発生したことにより、ここでまたまた食品系の配送にアレルギーができてしまう乗務員・配車マンが増加したようでした。

 

予約制のセンターですら、予約時間を大幅に遅れて荷受けする事態となっていたようです。私の聞いた話だと、10時の予約で降りたのが16時とか?入庫制限するべきでしたね。

 

マスクがない

マスクが全く手に入らなくなった久しいですが、この辺りから工場系の納品にはマスクを着用するように、と納品先や仕事を受けた配車マンから指示を受けることが多くなりました。

 

しかし、マスクを手に入れられないのにどうやってマスクをするのか?というのがマスクを手に入れられない一般ピーポー配車マンand乗務員の意見。そういうことを言うなら、マスクを手に入れられないのでキャンセルしますよ?というのは何度かありましたね。

 

今のところ、納品先にマスクがあるところが多いので納品時に貰えるんですが、今後マスクが本当に手に入らなくなったらそれもできなくなります。どうしたらいいんでしょうね…。

 

マイナスのスパイラル

 

週末にかけて少し食品系の仕事が増えたのですが、週明けに関してはいまのところまばらな感じの仕事量でした。おそらく、2次系の倉庫から在庫が無くなったんじゃないかと思われます。

 

食品系納品のサイクルとしては、

 

工場→1次配送→倉庫→2次配送→問屋センター→スーパーへ

 

みたいな感じで流れていまして、倉庫から在庫が無くなっていることから、来週は工場から倉庫間の一次配送の長距離輸送が増えるのかな?と考えてます。

 

通常はこのサイクルが淀みなく流れているわけですが、どこかで問題が起きると一気にこのサイクルに歪みが出てしまうわけです。倉庫から2次配送が爆裂することによって、運ぶべき在庫を食いつぶし、車輌余りの状況になる。

 

倉庫から一気に在庫が出ることで、工場からの転送が爆裂することにより長距離輸送の車が足りなくなる。我々配車マンが繁閑の差をなくしてくれ、荷物の量を平準化してくれ、というのはその歪みをなくして欲しいということなんです。車は足りてるのに、サイクルが歪むことによって車が足りなくなるんです。

 

もちろん、今回の場合はコロナウイルスという未曾有の事件があり、個々人がうまく判断を下せない状況にあったのは間違いありません。

 

しかし、テレビ等で食品不足や飲料不足を煽ったことも、この状況に拍車をかけたのは間違い無いでしょう。

 

個人の判断は抑制出来ない

 

幸い、私は物流業に従事しているのでどう言う状況になっているのかわかりますが、違う仕事をしている人や学生さんなどはそこまで詳しく状況を把握しているわけではないでしょう。

 

 

何を言っても伝わらない人には伝わらないわけですが、せめて物が無いとか煽ることだけはやめて欲しいものです。物が無くなることによってセンターに納品が集中し、配送をしている乗務員は長時間待機を余儀なくされ、自分たちが使う分の食品やティッシュなども買えなくなるんです。

 

私もしばらく買えませんでしたしね。

 

この物流の歪みはなかなか通常に戻らないので、しばらくは忙しいと暇を行ったり来たりすると思います。報道するなら物流もやってくれませんか?テレビ局さん。

 

簡単ではありますが、私が見ているコロナウイルスの物流に与えている状況でした。私が見ている物流ですら、一つの視点でしかありません。物流も運ぶ荷物によって全然見え方が違うので、他の視点も注視していかないといけませんね。

 

雪の予報…

 

しかし追い討ちをかけるように、季節外れの雪が。雪が降ると関東圏の物流がまた止まります。

 

今年は雪から逃れたと思ってたんですけどねぇ…。せめて、月曜には溶けてくれますように…。

 

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