今更ながら2019年末の暇な理由を考える
配車係のたろー(@haisyaman_taro)です!
12月にこんなツイートをしていたのですが。
周りの動きを聞いてると荷物が激しく動いてる様子はあまりないように見えます。が、仕事は売れないし、車もいない。納品先は混んでいる。
— 配車マンたろー@配車係 (@haisyaman_taro) December 20, 2019
ここから導き出される答えはなんでしょうか?
誰も反応してくれず寂しい限り(笑)
で、そういえばそんなこと呟いたなーと思って、自分で答えを書いてみました。
12月の答えですが私見です。
— 配車マンたろー@配車係 (@haisyaman_taro) January 30, 2020
物量が思ったよりも出ずに車だけ抱えてしまった物流会社が荷物を薄めて配車したため、納品台数が増えて混雑していた、と私は考えました。
ちなみに工場も生産計画があるので売れてなくても物を作ることになり、さらに過剰供給になったのでは?
暇は12月の遺産でもある。 https://t.co/hHZaptHaaE
まぁこのツイート通りといえば通りなんですけど、やはり140文字だと伝えられる情報に限りがあるので、もう少し詳しく考えてみました。
現場は荷物を運び切るのが使命
どの物流会社もお盆を過ぎたあたりから年末の荷物量について協議を開始します(もっと早い会社もあるかも)。
物流会社は自社便ももちろん持っていますが、もちろんそれだけではトラックの数が足りませんから、協力会社に車両の応援を頼むわけです。傭車ってやつです。
宅配業者なんかは、様々なデータから出荷予測を立て、年末はこれくらい物量が出るぞ!運びきれるだけの車を用意するぞ!と車両確保に動きます。
一方で、メーカーと直で物流を管理しているメーカー子会社なんかも、親会社の生産情報と出荷予測を聞きながら、実際にどれだけの車が必要になるのかを算段し、車両確保に動きます。食品や飲料メーカーは予算に対してどれだけ売れば達成できるかという数値を持ってますから、それに即した生産計画や販売計画を立てるわけですよね。ですから、荷物が動く量というのは、生産量や販売量に比例するので、宅配などの物流よりは数字を読みやすいと言えるんじゃないかなーと。
2019年は通年を通して売り上げがあまり良くなかった傾向があり、12月はメーカーとして販売を強化するぞ!とか、値引きしてでも売り上げをとるぞ!みたいな風潮に最初はあったんじゃないかと、私は勝手に推測しました。
で、どうなるかというと、実際には出ないであろう出荷予測が物流会社に流れるわけです。
見出しにも書きましたけど、現場は荷物を運び切るのが使命ですから、それに対応するためのトラックを用意しなければなりませんよね?なので物流会社が年末用に車両確保に走ったため、市場からトラックがさーっといなくなったわけです。
生産したから売れるわけではない
予算達成ができないから売り上げ目標を上げて増産だ!確かにそれはわかりますが、それで物が売れるほど今の日本は景気が良くないということなんでしょうねぇ。12月はあまり荷物が動きませんでした。まぁ動いていることは動いていたんですが、予測よりも遥かに少ない物量だったわけです。
ある程度は問屋も応えてくれて、買ってくれた小売もあったようですが、売れないのに仕入れをするからセンターはパンパン。少ししかない入庫でも物を格納する場所がないセンターは、少量の入庫でもパンク状態で荷下ろしができず、長時間待機が発生するという負のスパイラルに陥っていたように見えます。
確保した車両は使わないと損
年末用に確保した車両というのは、ある程度お金をかけて集めている車両であることがほとんどです。もう少し具体的に言えば、年末なのにハマる可能性もあるし、1日預かり運賃じゃないと早めに貸すって判断ができないよ、という感じの交渉です。
大手物流会社はそれでも車両の確保に走りました(たぶん)。
で、結果は上記でも書いたように散々たる物。でも車は余っている。使わないと損だ。ということで、1センターに1台でいいものを2台も3台も配車して、荷物を薄めて納品に行かせるという荷組をするわけです。1日キャンセルしても同等の金額を取られることが多いので、使った方がマシという理論です。
倉庫がパンパンで荷物が降りないのに加えて、車もバンバン納品に行くもんだから、倉庫としてはたまったもんではなかったのではないでしょうか。それで待機料とか言われた日には目も当てられませんよね…。
というわけで、12月に暇だ暇だ言ってる時期にセンターが混んでて待機が発生しているのは、上記の理由であるというのが私の結論です。
ついでにフリー車両についても言及する
ちなみに、暇だ暇だと散々ツイッターでも呟いてましたけど、フリーの車両は逆に結構辛かったんじゃないかと思います。
確保した車両で事足りてしまった物流会社は、外部に仕事を振るほど余裕がありません。なので、いつもは12月大忙しで動いているフリーの車両も、2019年はそこまでの忙しさはなかったのではないでしょうか?もちろん単日で見れば忙しかった日もあったと思いますが、全体的にみたら暇だったはず。
全てが適正料金適正物量で進んでいれば、12月はみなさんハッピーで過ごせたように思えますが…。
私もフリーで動かしている車両については、初動を間違えると荷物がなくなってしまうので結構苦労したんですよね…。最後の方は入れ食い状態で仕事をとってる感じでしたし…。
今年はこれを踏まえてどうやって戦略を立てていくか、というのが運送会社のひとつのポイントになってくるのかなーと思います。直近ではオリンピックパラリンピックもありますし、イベントごとの時は物流問題が勃発する時でもあります。
案外オリンピック時も大したことなく終わりになりそうで、もしかしたら早めの仕事確保が必要かもしれませんねえ。