物流費抑制ってどういうこと?
物流weeklyにこんなニュースが出てました。
この表記結構わかりづらいですよね。この文面でわかる人いるのかな?今までは車建運賃+個建だったのが、車建に一本化し、その車建の内容も基本運賃+αとする、ということですかね。これでもわかりづらいような…。
例えば、車建12,000円+個建で積んだ分だけの支払いがあったものが、新料金では基本料金(ここでは50キロまで7,600円とのこと)+付帯作業とか距離とか諸々を加算したものに変更ということです。
文末の簡単な説明だと、原稿配送費が22,000円だったとのこと。それが12,000円になるってこと?なんですかね。記載されている表によると、
- 中型以下の基本料金:7600円
- 付帯作業料 :6,000円(固定)+1,000円(件数ごと加算)
- 距離増 :1kmごとに50円
- その他 :適宜
だそうで、50km以下だと14,600円ということ、に見えるのですがね(7,600+6,000+1,000)。12,000円ってどこから出て来たんでしょうか??
まぁ細かい計算はとりあえず置いとくとして、最も気になるのは付帯作業料です。
この項目って2017年11月に施行された新標準運送約款の中で料金化することを求められたわけですけど、それに対する対抗措置に見えなくもありません。ようするに、料金体系にこの項目を盛り込むことによって、付帯作業料はすでに払ってるんだから文句言うなよ、という保険をかけているように捉えられるということです。というか、確実にそのための料金改定だと思います。
長時間待機による待機料や仕分け料を払わないセンター
物流センターは固定費として人件費を極限まで抑えるビジネスモデルです。ですから、やってくれる人がいるならば出来るだけ任せたいというのが本音です。
新しいセンターが開設されたときに、説明会と称して物流会社を現地に呼ぶことがありますが、その中でも平気で、
「うちは自主荷役だから」
なんて謳っているセンターもありますからね。それ、付帯作業ですよ。
もしくは、その作業はセンターでやるけれども、単価に見合った人件費でセンターを運営するとなると、荷受する人間を少なくするしかないと割り切るところもあります。
そういうセンターは慢性的に人がいないので、待機がめちゃくちゃ発生することになります。自分たちでキャパを決めてセンターを運営しているにも関わらず、長時間待機を発生させているわけですね。
物流会社から付帯作業料を請求する場合、通常の流れからいえば、
配送会社→物流会社→荷主→物流センター
といった感じになるはずです。あくまで荷主は物流センターからの注文で製品を物流会社に運ばせているわけですからね。
しかし、この荷主(メーカーであることも多い)が、なぜか物流センターに請求しないんですよ。やっても文句だけ。まぁ、この辺は表には出てない力関係があるのかもしれませんが。
結果的に、荷主が付帯作業料について負担することになるわけですね。負担してくれればいいほうですが、最悪は物流会社が肩代わりするケースもあるかと思います。私が所属しているのも物流会社ですから、正直そのようなパターンも結構あります。なんで我々が付帯作業料を肩代わりしなければならないのかと疑問なんですけどね。
そのような構造なので、付帯作業についての料金というのはかなりグレーゾーンなわけです。ですから、これを基本料金に組み込みたいというのはわからんでもありません。
業界の健全化にはならない付帯作業料
しかし、こんなことをやっていたらいつまでたっても業界が健全な料金体系になるわけがありません。正直、今の物流業界は、赤帽の距離運賃が一番適正に払われているのではないか?という気すらします。軽なら基本は手積み手降ろしですから。
昨今のホワイトカラー・エグゼンプションもそうですけど、制度を作るよりもまずはその風土を先につくるのが先決ではないでしょうか?
現場の配車マンも、実際は感情を押し殺して仕事を運送会社にお願いしています。本来は付帯作業料を払わなければいけない、と思っています。しかし、会社員として仕事をしている以上、余計な経費はかけられない。なんとか曲解してうまくこの仕組みを使えないか?という発想になってしまうわけです。
本当にこれが政府が目指しているものなのでしょうか?
私も現場で配車をしている立場としては、もっとうまく出来ないもんかな?といつも思いながら、社畜として会社の指示に従っている状況です。不甲斐ないですねー。
一刻も早く、この状況が改善できるような施策を日本政府にはうってもらいたいものです。