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破損事故削減!パレット積みについて

パレット積みの基本

配車係のたろー(@haisyaman_taro)です!

 

新型コロナのせいで物量がかなり減少中。それにともない仕事の量も減少中ですが、それでも運ぶものというのはなくなることはありませんよね。

 

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しかし、荷物が少なくなると積載量も下がり、荷台の上に空きスペースが増えることになります。荷物の積み方によっては破損事故になるケースも。

 

パレット輸送の弱点

 

トラックで輸送する場合、パレット積みかバラ積みかで仕事難易度は変わってきます。いわずもがな、パレット積みの方が簡単なのは間違いありません。積むのもフォークリフトでバンバン積めるし、降ろしも同様です。バラ積みは積むのも降ろすのも時間がかかるし、なにより乗務員さんにかなりのダメージが…。

 

しかし、数少ないバラ積みのメリットとしては、走行中の荷物が安定すると言うこと。まぁもちろんそれは積み方にもよるのですが、バラ積みで荷台を横から見て、凹凸みたいな積み方をする人は素人でもいないでしょう。

 

逆にパレット積みで怖いのが、山の高さがあっておらず凹凸みたいな形で積み込みになってしまうことがあります。

 

急ブレーキや急カーブなどで、きついGがかかった場合荷崩れを起こす可能性があるわけです。もちろんそれを防ぐために、パレット積みをする場合は荷物にラップを巻いたり、パレットとパレットの間にコンパネと言われる板を挟んだりして荷崩れを防ぐ努力をするわけです。

 

事故防止には想像力が大事

 

パレットの積み荷が以下のように出てきた場合、どのように養生するのがいいでしょうか?

絵心の無い私のイラストで申し訳ありません。

 

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こちらの積み方だと、商品は片側に寄ってます。パレットの形状は様々ですが、商品がパレットの規格と完全に一致することは少なく、必ずどこかしらにあまりの部分が出てきます。すなわち、ここがブレーキなどで荷ズレする可能性がある場所です。

 

飲料などは荷ズレすると結構持戻りにされることが多いので、この空白の部分がズレないように緩衝材を挟むのが良いとされています。緩衝材に固さはないので、荷物を抑える役割はありません。ですから、コンパネ+緩衝材というのが比較的事故を起こさないようにする積み方となります。

 

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こんな感じです。さらに商品にラップを巻ければベストですね。

 

ラップはどちらの負担?

 

余談ですが、トラックを手配するときに、ラップ持参と言われることがあります。基本的にラップは運送会社の持ち物で、事故予防のために乗務員が巻くことが多いのですが、このラップの費用というのは運送会社の負担でいいのか?というのは私は昔から思ってまして。

 

というのも、自主的に運送会社側が荷崩れしたくないからラップ巻きたいと申し出てやるものだと思います。逆に言えば、荷崩れなんてしないからラップなんて巻かない、金かかるし、という風に考える運送会社だってあるはずです。

 

荷主側から事故防止のために商品に全部ラップして、と指示するのであれば、その分は別途料金が発生しなければおかしいのではないか?と常々思ってるんですよね。ラップはセンターにあるものを使ってください、とかですね。そういう荷主はほとんど聞いたことがありません。

 

なので、私が配車でそのような仕事を取って傭車に振る場合、なんとなくモヤモヤしたままお願いしていたりします。会社なので私一個人の判断でラップ代はうちから出しますとは言えないのですがね…。

 

コンパネを間に挟むもう一つのメリット

 

話を戻します。

 

こんな感じでコンパネ+緩衝材+ラップで商品を積んでいくと、下記のイラストのように綺麗に荷台に積み上がっていくことになります。

 

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商品の落下事故で結構多いのが、ラップ同士がくっついてしまい、フォークリフトで引っ張った時に一緒に巻き込んで商品が落下してしまうというもの。想像していただければわかると思いますが、家庭用のサランラップも、ラップ同士がくっつくとわちゃわちゃになってしまいますよね?緩衝材やコンパネを間に挟むことによって、ラップ同士がくっつくことを防ぎ、巻き込み事故を防止することができるのです。

 

面倒でもせめてコンパネはパレットの間に挟んで欲しいと、配車係としては思います。

 

 

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積み荷の内側から破損品が出てきた

 

さて、パレット積みの事故防止の基本を紹介しましたが、持って行った商品を検品していたら中から破損品が出てきた、という事故がたまーに存在します。

 

この場合、どのような状況でそれが起こったのかを詳細に乗務員にヒアリングすることがかなり大切になってきます。

 

  • 積み地で積み替えはしたか?
  • 降ろし地で積み替えがあったか?
  • 自主荷役はあったか?

 

乗務員から破損品が出てきたらとりあえずはこの3点を確認ですね。つまり、乗務員が積み荷を詳細に触ったかどうかを聞き取るわけです。

 

「出てきた商品にラップかけただけです。商品は積みも降ろしもやってもらいました」

 

ということであれば、乗務員さんに過失はあることはありませんね。おそらく、積み地であれば倉庫で荷造りをしている最中に落下させたりしたものを、発覚を恐れて綺麗な面を表にして積んだ、みたいなところが有力でしょう。

 

「検品してもらって一回倉庫に持って行ったんだけど、中から破損が出てきたって言ってリフトマンが持ってきた」

 

というのであれば、倉庫格納中に落下させたのを乗務員のせいにしようとしたか、という感じだと思います。

 

「積み替えして、自分で荷積み荷降ろししたよ」

 

となると、一方的に荷主側のせいにするのは難しくなってきます。考えたくはありませんが、事故にするのを恐れて乗務員が嘘を言っている可能性もあるからです。軒先で荷卸してて落下させたことを誰にも見られてないというのは考えづらいので、あまりそういう嘘をつく乗務員はいませんが…。

 

物流業界未経験で配車になると、この辺りの想像力がなかなか働かないので、色々な事例を聞いて勉強しておくようにしましょう。私もいまだにそんな事故があるんだ!というのが結構ありますからねぇ…。

 

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ラップの巻きすぎで外装不良(2020/4/17追記)

 

Twitterで教えてもらったのですが、そういえばラップで締め付けすぎると外装不良になるなーってのを思い出しました。

 

特に飲料系は全ラップしろという指示が出ることもあるのですが、結構このラップ巻きって職人技というかコツがいるので、あまりにもぎゅうぎゅうに巻きすぎると外装が凹みます。弱すぎるとラップの意味がないし、ちょうどいい加減を考えながら巻くのが必須となってきますねー。

 

胴膨れも気をつけなければならないのですが、昨今の飲料を梱包している段ボールが異常に弱くて、段積みをすると下の製品が凹んでしまうということがよくあるんですよね。特に梅雨時期みたいな湿度が高いシーズンは要注意です。

 

宵積みでも当日積みでも、積む前に製品が胴膨れしてないかをチェックしてから積む方が、自分たちの身を守るためにも安全ですね。倉庫に保管している段階で胴膨れしていることもあるので、積む前に必ずチェックが基本です!

 

配車、乗務員一緒になって事故を減らそう

 

どんな理由にせよ、商品事故というのは物流業をやってる以上起こすべきではありません。売り上げ伝票を訂正されるということは、荷主に取っては売り上げ減少につながりますし、運送会社としても品質が悪い会社というレッテルを貼られ、着側にとっても本来売るべき商品が入ってこないことによる機会損失になる可能性があります。

 

つまりいいことがないわけです。

 

物が売れることによって物を運ぶ仕事が発生し、物流会社にお金が入ってきます。乗務員が事故が起こる仕組みを把握してない可能性も十分ありますから、配車からの声かけもとても大切です。めんどくさがらず声かけして事故を削減していきましょう。