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傭車力をつけるには営業活動をしよう!

取扱の仕事をするときに必要となるのが協力会社さんの車ですよね。借りた車を傭車と言ったりしますが、どれだけ協力会社から車を借りられるか?というのが取扱の仕事で生き残っていくポイントになってくると思います。

 

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しかし、傭車というのはただ電話をするだけで借りられるものなのでしょうか?

 

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繁忙期に露呈した傭車力不足

 

今年のお盆は恐ろしく車が少ないシーズンでした。広島の集中豪雨による被害が全国に波及し、地場の車も幹線の応援に駆り出されているような、そんな感じを受けました。あとは、かなり車両台数を持っている会社が労基違反による業務停止を受けたようで、それも車両不足を巻き起こした原因だと風の噂で聞いております。

 

さて、そんな未曾有の車不足の中、車両が捕まらず倉庫から持ち出すことすらできなかったセンターも多かったようです。

 

私が担当している部門は、夏は比較的荷量が少ないセクションなので、あまり影響はなかったのですが、飲料を運ばなければならない部門の配車係たちはめちゃくちゃ大変そうでしたね。他のセンター系の会社もほぼ同じような状況で、夜になっても車を探している電話がかかってきていました。

 

こんな状況で、いったいどうやって傭車を見つければいいのでしょうか?繁忙期で全ての会社が忙しく、余ってる車のない状態です。そんな時に車は出てくるものでしょうか?

 

周りもほぼ諦めが伝わってくるような雰囲気の中で、最後の一台をどうやって捻出出来るのか?

 

繁忙期になってから打てる対策は無い

 

答えは、

 

捻出出来ません

 

ということですね。

 

おいおい、それじゃ話が終わっちゃうよ、と思うでしょうが、逆の立場になってみればわかると思います。自分の会社の荷物がそこまで出なくて借りてた車が1台余ってしまった場合、あなたはどこの会社に貸すでしょうか?

 

お金ですか?

 

人情ですか?

 

行程ですか?

 

私はその時々で答えが変わると思ってます。配車係としてはもちろん売り上げも上げなければなりませんから、繁忙期価格というのはとても魅力的です。なおかつ、逆にこちらも支払う側となればそれ相応の運賃を提示しなければならないでしょう。

 

また、どうしても断れない当日仕事というのもあるかと思います。どうにかして片付けるためには、例えば積み地に飛ばすような行程の仕事があれば当日仕事を捌くことができますね。

 

ですから、何が言いたいかというと、繁忙期において絶対的に車がいない場合は、懇意にしている運送会社といえど車を貸してくれるとは限らない、ということです。

 

ではどうしたらいいのか?

 

それは繁忙期に入る前に定期的に営業に行くしかありません。

 

傭車力をつけるには協力会社を増やすしかない

 

大手企業というのはリスク管理がしっかりしていますから、帝国バンクなどのデータを使用し与信管理をしっかり行い、一緒に仕事をするパートナーを調べあげます。少しでもおかしな点があれば、直で一緒に仕事をするというのは難しいでしょう。

 

ではどうなっているのかというと、間に取扱の業者が入っているんですね。与信がしっかりしていて、なにか問題があっても解決できる力をもった取扱業者が荷主との間に入り、傭車を紹介して仕事をさせています。

 

しかし、この方法だと結局のところ、この取扱業者の能力次第で荷物を運べる量が決まってしまうのですね。

 

確かに与信管理という点では、大きい取扱業者が間に入るのは安心かもしれません。しかし今は運送会社のパイも少なくなっていますし、何より中抜きされることによる運賃の減額が運送会社からするとあまりおいしく無い。ですので、今はまた荷主と直で契約を結ぶ運送会社というのが増えてきているようです。

 

私もこの考えに賛成で、もう大きい会社が間に入って管理してもらうというのは難しくなってきているのでは無いかと感じています。

 

この夏も残荷が沢山出てしまいましたし、そろそろ方針転換して、直で仕事をやってもらえるように営業活動をしないとダメな時代になってきているのではないかなーと思ってます。

 

年末の繁忙期までになんとか形にしたいものです。

 

間接取引でも活路はある:ハコベルというサービス

 

とはいうものの、実は間接取引でもやりようによってはまだ活用法はあります。

それが、ラクスルという会社が展開する、ハコベルというサービスです。

 

これは、通常荷主から運送会社に仕事を依頼して車を借りるという従来の方式に対して、荷主が募集している仕事に対して運送会社の方から、「この仕事なら出来ますよ」というレスポンスを返す方式をとっているサービスです。

 

同じようなサービスで売り上げを伸ばしてきたのがトランコムですが、あくまでもトランコムは水屋仕事ですよね。マッチングさせるのは、トランコム自体です。しかし、ハコベルのサービスはあくまでも仕事を受ける側に主導権があるのです。これが、従来の日本の物流慣習からは逸脱していて、たしかにそんなやり方もあるよね、と私は思いました。

 

もともとラクスルは印刷を安く請け負うサービスを展開しています。なぜ安いかというと、

 

ラクスルでは、全国の複数の印刷会社と協力し、その空き時間を使って、お客様の商品を印刷しています。納期を長くとっていただければお安くできるのも、各印刷会社で空き時間を利用しやすくなるからです。高品質・低価格の商品をお届けするために、ラクスルが作った独自の仕組みです。

 

ということだそうです。要するに、工場が稼働していない時間を使っているから、工場としても稼働率が上がるし、頼む方も安い運賃で印刷を頼めるというわけなんですね。

 

ハコベルも同じ考えで、ぽっかり午前中だけ相手しまった車に仕事をしてもらいましょう、ということなんですね。今までは、協力会社に仕事をもらっていた運送会社も、行程が合う仕事ばっかりだったわけでは無いと思います。しかし、このサービスなら自分で仕事を選べますので、出来そうな仕事だったらやろうかな?と思えるわけです。

 

まだサービスは発展途上ですから、なんとも言えませんが将来的にはとても期待できるんじゃないかなーと個人的には思ってます。そうしたら配車マンいらないね(笑)

 

最後に

 

配車係からしたらなかなか難しい世の中になってきましたが、いろいろなサービスに目を向けて世の中から取り残されないように頑張っていきたいものですね。

 

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